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【  2020年10月  】 

あなたは知らなくていい

長編*

2020.10.31 (Sat)

 不満そうに眉を寄せた秀治が、智紀を見やる。普段あれほど察しがよいのに、自分に対しての感情はどこまでも鈍感だ。きょとんとした顔が恨めしくなって、ため息をつく。「伝わってないじゃないか…」「ん?引いてないって、わかったよ。ありがと」「…やっぱりおまえ、分かってない」「なにがさ」「嬉しいって言ってるんだよ」あらためて言われても"そっかー"以上の返事が浮かばなかった。でもそれじゃ、秀治の思いは伝わってないこと...全文を読む

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ただ、会いたかった

長編*

2020.10.28 (Wed)

 目の前が真っ白になっていく。浮かんだ涙で、視界がゆがむ。それでも握りしめた腕を離さないでいたら、彼がそっと智紀の背中をたたく。大きな手のひらの感触。何も言わず、静かに慰撫する手にほんのすこし呼吸が落ち着いた。「会いたかった、ほんとに 疲れてるときこそ。でもうまく…うまく、伝える自信が」なくて、と声を震わせた。泣き声になっていることを自覚したら、ぽろりと耐えきれず涙がつたう。びっくりした秀治が、大丈夫...全文を読む

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おそろいの秘密

長編*

2020.10.26 (Mon)

 なんで見てるのに、気づかないかなぁ。それとも、本当に言わせたいのだろうか。秀治と出会えてよかった、なんて。さすがに言えない。でも同じように見つめられたとしても、智紀も「俺のためか!」なんてぜったい思わないから、責められもしない。テレパシーを持っていないのが悔やまれた。クイズ番組はすでに優勝者が決まり、100万円と書かれたパネルを、クイズ王が誇らしげに掲げている場面だった。時計を見ると、9時58分。...全文を読む

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結果的に最高の選択

長編*

2020.10.24 (Sat)

 目じりにたまった涙をぬぐいながら、秀治のほうを見て、つぶやく。「でも、たしかに楽かも」「うん?」「知ってもらってるって。なんにも隠さなくていいじゃん、それ、らく」「それはよかった。けど、言ってくれてよかったんだよ?」それくらいのことなら、家の話なしにでも驚きはしなかっただろう。勉強ができる、というのはなんとなく勘づいていたし。課題やっていい?とリビングで広げたプリントに、整った字でつらつらと書き連...全文を読む

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夢は見たいじゃん

長編*

2020.10.22 (Thu)

 浮き上がりそうになるのをごまかすために、いかにもてきとうに付けたであろう、今ドキの女子高生の生態調査のトピックをチラ見して「変えていい?」と聞く。すぐに、どうぞ、とチャンネルを渡された。てきとうにザッピングする。2,3個回したところで、智紀の手が止まった。「あ、クイズやってる」「クイズ番組か、最近多いよな。流行ってんの?」「しらん。製作費がかからんからじゃないの。ねえ、みてみて、まなみー出てる。ち...全文を読む

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夕食後のエッセンス

長編*

2020.10.20 (Tue)

 普段より、すこしだけ静かな食事を終え、きれいになった食器を流しに運ぶ。宣言通りに腹ごしらえを済ませたから、次は風呂だ。残念ながら、その次はない。残念がってるのは黒い悪魔だけだけども。同じように皿を手にした秀治が「智紀」と呼びかけてくる。首を回す。「風呂、今日は先に入ったら? 皿洗いは俺がやるよ」「んーわかった。じゃ、食器もどすところまでよろしくぅ」「いいよ」「いいのか」「ぜんっぜん違うところに返し...全文を読む

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美味しい時間をくれる人

長編*

2020.10.18 (Sun)

 サラダの盛り付けが終わったところで、ちょうど玄関から帰宅を知らせる音がする。はじかれたように、手をふいて、そちらへ駆けていく。秀治は、おかえりと言うといつも嬉しそうにしてくれるけど、たしかにこの勢いで来られたら、智紀がされても笑ってしまう気がする。背の高い背中が目に入る。その背に呼びかけるまえに、くるりと正面を向いた秀治は、ただいまとやわらかい声で無事を教えてくれた。「おかえりー。じゃあ、さっそく...全文を読む

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人知れぬ変化

長編*

2020.10.16 (Fri)

 買い出しは滞りなく進み、ひとつの問題もなく家に到着した。秀治のマンションには何度も泊まりにきたことがあるけれど、私服で家を飛び出し、レジ袋を抱えて、同じ場所に帰ることになるとは想像していなかった。玄関を見渡してみる。変わらぬ景色であれど、心が波打った。はじめてここを訪れた、あの日みたいに。「いっか、ここにいられんのも期限アリだし」そう口に出してみた。感傷的になりかけたけど、それならそれで割り切って...全文を読む

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10日目 外出解禁おめでとう

長編*

2020.10.14 (Wed)

 10日目以下、私信*****最近、兄が激務でかわいそうだったので、クッキーを焼いてあげたら、父が泣きました。…?( ・-・ )...全文を読む

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朝の模様

長編*

2020.10.12 (Mon)

 起きろ、という声が脳内にこだました。眠たい身体を揺さぶられる感覚がある。力任せのそれではなく、脳がゆれないように気を遣った動きだ。まだ半分夢のなかにいる頭が「なんだこれは」と思う。こんなふうに、やさしく起こされたことはない。壊れた拡声器のようにぐわんぐわんと響く声。痛みすら感じる揺さぶり。それが智紀の知っている朝。じゃあ、これは何なんだろう、と重たいまぶたを持ち上げたとき、目の前に飛び込んだ。「あ...全文を読む

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しとど~ おまけの要

落書き

2020.10.11 (Sun)

 しとどに濡れる、要サマこれは放置しづらい。秀治と智紀とは逆で、こっちは先輩のほうが振り回されそうなコンビですね。心理的にじゃなく、物理的に…...全文を読む

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しとどに交わる想いは雨 その9(完)

小説

2020.10.10 (Sat)

 「相沢」「はい?」「本当にこれでいいのか」「え」またもや、YESともNOとも取れない答え。しかしその目はいやに真剣で、予想外のリアクションに臆されてしまう。意味が分からずにそのまま、どういう意味ですかと間抜けに問う。「お前は、本当に俺と…俺に抱かれたいのか」「そうですよ」「三浦たちを裏切ってまでか」「…黙っていてくれたら、分かりはしませんよ」動揺を、まばたきで隠した。これまでの言動で、要が憎からず思って...全文を読む

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しとどに交わる想いは雨 その8

小説

2020.10.08 (Thu)

 「あの噂は本当か」「…噂?」どれでしょう、というのは、いくつもの暇つぶしに使われている自覚がある証拠だった。悠一はぴくりと頬をひきつらせる。知っているならば、否定のひとつくらいしたらどうだ、という顔だった。まさに、今まで人気者としてしか生きたことのない、実直なリアクション。こればかりは秀治に似ているな、と思った。要みたいな日陰者の気持ちなんて、わかりっこない。「目に余るうわさがある」「ゲイって噂で...全文を読む

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しとどに交わる想いは雨 その7

小説

2020.10.06 (Tue)

 大胆にも、内ももへ入り込もうとした手をつかむ。悠一の手が一周まわるほど、細い手首だった。止めるのはたやすい。ゆるんで少し開いた唇と、眉をハの字にした困り顔が、いやに色っぽい。表情ばかりはアンニュイでも、誘いかける視線は突き刺さる。「嫌ですか」「嫌ではないが」「…嫌じゃない?それも変わってますね」不意の返しだったらしく、喉が鳴る。大胆にもほどがある行為をしかけているのに、どうもちぐはぐしている。まる...全文を読む

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しとどに交わる想いは雨 その6

小説

2020.10.04 (Sun)

 次の言葉を待つうちに、彼の常持つオーラが部屋中を、見る見る支配していくのが見えた。淡いムラサキ色の、湿り気を帯びたものが悠一を飲み込もうとする。気づいたときには遅かった。部屋中の明かりが落とされた錯覚に陥る。それは単に、雨雲のせいで平素より部屋が暗いだけのことだが、まるで彼が光量を操っているかのようだった。思わず要をにらむ。なんですか、と言い出しそうなすっとぼけた顔に、苛立ちが募る。「どういうつも...全文を読む

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しとどに交わる想いは雨 その5

小説

2020.10.02 (Fri)

 *****すぐに、クローゼットを開ける。色彩の乏しい洋服たちを、しばらく探っていると、奥から覚えのないフリーサイズの上下を見つけた。飾り気のない、黒のシャツとスウェットパンツ。まあ及第点であろう。脱衣所の、目につくところにそれを置いて、すぐに部屋に戻ってくる。しかし、あの細さは、大きく生地を余らせそうだ。べったりと張り付いたシャツからうかがい知れる細腰を思い返して、悠一は首をふる。向こうも気にしている...全文を読む

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Author:ハルハル
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